2020年02月

南海バスおよび南海ウイングバス金岡・南海ウイングバス南部では2020年3月1日に大規模な系統番号の変更を実施することが発表された。(詳細:http://www.nankaibus.jp/var/rev0/0002/7807/202021711812.pdf
当記事では今回の系統番号大改編について、筆者自身の感想を書き出してみることにする。

<評価点>
今回の改編の最大の評価点はやはり派生系統の番号の振り方に明確な法則性を持たせた点ではないだろうか。
従来の系統番号において派生系統の番号は(1)別の番号を振る(2)「特」をつける「直」とかもあるけど(3)ハイフン+数字をつけるという3種類の振り方がある。しかしながら明確なパターンなどは見受けられず3パターンの方法が混在し、特13-1のような特とハイフンの合わせ技があったり、ハイフン+数字のパターンにしても光明池営業所はいきなり-2から振り、空港営業所には2-0なる番号があったりするなど統一性がなく、はっきり言ってグチャグチャで意味不明という印象であった。

これが新系統番号では「末尾のアルファベットで運行形態を表す」というルールが定められた。(C:途中止め、L:延長便、V:経由便)これにより、「特」パターンハイフン+数字パターンはほぼC/L/Vに変わり、統一性があって従来のものより理解しやすいものになったと感じる。


<疑問点>
別の番号を振るパターンの派生系統の系統番号であるが、南海バス本体管内は新番号化でほぼ「+C/L/V」パターンになっているが、ウイング南部はというと末尾アルファベットルールを無視して現番号を流用する」パターンが多く、このあたり統一性が取れていないという印象を受ける。
【現行の系統番号】
60(北信太駅筋~鶴山台回り)の区間運転便:62(北信太駅筋→鶴山台センター止)
18(河内長野駅前~小山田南方面循環)の市役所経由便:17

21
(泉佐野駅前~犬鳴山)の区間運転便:22(泉佐野駅前→久の木)
61(岸和田駅前→和泉中央駅)の徳洲会病院経由便:63

【新系統番号】
360(北信太駅筋~鶴山台回り)の区間運転便:360C(北信太駅筋→鶴山台センター止)
418(河内長野駅前~小山田南方面循環)の市役所経由便:418V

721
(泉佐野駅前~犬鳴山)の区間運転便:722(泉佐野駅前→久の木)
661(岸和田駅前→和泉中央駅)の徳洲会病院経由便:663

本体管内でも「171って実質的に172の区間運転なのでは?172Cでよくないか?」といったようなことは思ったりしたが…。

加えて途中止め便・経由便・延長便に関しては原則ルールができたとはいえ、
・循環系統で右回りと左回りがある場合、系統番号をそれぞれ分けるかどうか
(泉北ニュータウン内の多くの系統は同じ番号だが、加塩南花台循環や光明台回りなどは番号を区別)
・急行系統の系統番号は普通系統の番号と分けるかどうか
(金剛駅前~狭山ニュータウン回りは普通51251・急行52252だが、住之江公園~匠町は普通・準急ともS1191…など)
といった派生の仕方をした系統の番号の附番については統一ルールができず、新番号でも結局バラバラのままなのが残念といったところだろうか。

で、これはあまり実用上問題ない部分ではあるのだが、末尾アルファベットのC/L/Vというチョイスが謎。公式発表にはC=Cut、L=Length、V=Viaからとったそうだが、延長=length([名]長さ)というのはどう考えてもおかしい…。longのLなら普通に理解できるが。
と言うか、短縮だからcutってのもねえ…。担当者がshortやextensionといった単語を知らないだけなのか、それとも他に意図があるのか、実際のところどうなのやら…。

南海バスおよび南海ウイングバス金岡・南海ウイングバス南部では2020年3月1日に大規模な系統番号の変更を実施することが発表された。

詳細:http://www.nankaibus.jp/var/rev0/0002/7807/202021711812.pdf
営業所別の新系統番号一覧は南海バス公式HP内の営業所別路線図のページ(http://www.nankaibus.jp/rosen/rosenzu.html)に掲載。

今回の変更では原則として以下のルールに基づいて新しい系統番号を付番している。

(1)系統番号の三桁化

堺営業所管轄系統のみ原則的に現在の系統番号を維持するものの、それ以外の営業所管轄系統は以下のルールに基づいて現在の系統番号に百の位を加える。

東山営業所管轄:100+現在の系統番号
泉北営業所管轄:200+現在の系統番号
光明池営業所管轄:300+現在の系統番号
河内長野営業所管轄:400+現在の系統番号
空港営業所管轄:500+現在の系統番号
ウイング南部管轄(岸和田エリア):600+現在の系統番号
ウイング南部管轄(泉南エリア):700+現在の系統番号

<例>
8(堺東駅前~光明池駅)⇒308
※光明池営業所管轄なので+300。
57(金剛駅前~向陽・藤沢台回り)⇒257
※泉北営業所管轄なので+200

(2)派生系統は末尾にアルファベットで区別
現在の系統番号は経由便・延長便・途中止め便の区別を
・「特」の字を使う(特51とか)
・ハイフン+数字を使う(31-1とか)
・別の系統番号を使う
の3パターンでつけていたものの、明確な法則がなく統一性が感じられない付け方がされ、さらには特とハイフンの合わせ技(特5-2など)まで存在するなどグチャグチャでわけのわからない状態になっていた。
これを今回の変更では、基本となる系統番号に加えて
・途中止めは末尾に「」(Cut)
・延長便は末尾に「」(Length)
・経由便は末尾に「V」(Via)
という統一した附番法則に基づいて新しい系統番号がつくられている。

<例>
10(堺東駅前~地下鉄北花田駅前)⇒9C
※9(堺東駅前~河内天美駅前)の途中止め系統であることが明確に。
35-2(泉ヶ丘駅~庭代台回り)⇒235L
※35(栂・美木多駅~庭代台回り)を泉ヶ丘駅まで延長したもの。泉北なので+200。
今の系統番号では泉ヶ丘駅を発着するものは全て35-2だが、新系統番号は泉ヶ丘駅を終着とするもののみが235Lとされ、「泉ヶ丘駅を始発地として庭代台を回り、泉ヶ丘駅まで戻らず栂・美木多駅止まりとなる便」には235を附番している。このルールは御池台回り、赤坂台回り、城山台回りの各系統にも適用。
特7(河内長野駅前~小山田南)⇒407V
※7のうち市役所を経由する便。河内長野なので+400。

ここまでは公式HPの発表に載っている範囲。あくまで原則なので58-1259のような下2桁が変わるようなものも存在するが…。



以下、筆者が気付いた点を列挙していくと…

・現行の「途中止めを別番号で区別」パターンが新番号化でどうなるか。上で10⇒9Cの例を挙げたが、他の系統の新番号を見ると…
【現行】21(泉佐野駅前~犬鳴山・野々地蔵経由)の久の木止まりバージョンは22
【新番号】721(泉佐野駅前~犬鳴山・野々地蔵経由)の久の木止まりバージョンは722
…のように、途中止め系統では?と思えるような系統でもCを使わず現番号をそのまま流用してるパターンもあり、微妙に統一性がないように思える…。

・途中停留所始発となる区間運転便は基本系統の番号に集約されるものも。
<例>
直30(光明池車庫→泉大津駅前)⇒321(光明池駅~泉大津駅前※和泉中央駅経由せずの系統と番号を統合)
25(泉ヶ丘駅~東山車庫前)⇒東山車庫前行き125C・泉ヶ丘駅行き125(このように上下で違う番号パターンも出現)

Lは庭代台回り、御池台回り、赤坂台回り、城山台回りの泉ヶ丘駅乗り入れ系統のみが使用している。

・桃山学院大学線にも系統番号付与。(371375

・頭文字が英字の系統番号は頭文字の英字を消した上で、以下のルールを適用している。
堺南港線:Nを消し+40(N141など)
堺東住之江線:Aを消し+60(A161A262
Jグリーン堺線:Jを消し70番台に集約(J170J1171
堺匠町線:Sを消し+80(例:S181S1191
堺市立総合医療センター線:Mを消し+110(M1111M2112
和泉中央線ららぽーと和泉乗り入れ系統:Lを消し+310(L1311L1-1311V
PL病院線:Pを消し+460(P1461など)
イオンモールりんくう泉南発着:Aを消し+760(A1A761など)
・国際貨物地区線には末尾Gが出現(521Gなど)。国際貨物上屋G棟前経由便に振られている。

・ポートターミナル線はPT1、PT1・2、PT2。第二ターミナル連絡バスはT1・2、関空展望ホール行きに振られた番号はHT…と路線図上はなっているが、実際の行先表示は
ポートターミナル行き:P
展望ホール行き:H
第一ターミナル行き:T1
第二ターミナル行き:T2

と行先記号といった運用方法をしている。なんで路線図の系統番号表記はこんな表記にしたのだろう…

…まだまだあるが上げていくとキリがないのでこのへんで。

※一部情報を修正しました(2020/4/1)

かつて明光バスにはさまざまなバリエーションのリエッセが存在していた。2014年から2015年にかけてローカル路線がごっそり廃止され、それに伴い活躍の場を奪われてしまったが…。(一部は防長交通や有田鉄道に移籍)

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旧旧塗装("かもめカラー"という呼び名もあるそうだが)のトップドアリエッセ。
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みたまんま元近鉄。2ドアとトップドア両方とも存在していた。
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元近鉄ながら塗装がサンプルカラーの色違いな車。
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こちらは南海バスから。色は現行塗装。
これ以外にも元堺市ふれあいバスで使われていた中扉がスライドドアのリエッセ(車椅子リフト装備・旧塗装)なんてのもいたのだが、撮影できずじまい。
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旧塗装を纏ったトップドアリエッセ。どこかからの中古と思われるが…?
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どこかからの中古その2。LED行先表示器を装着。今は有田鉄道で貨客混載車ラッピングになってるとか。
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どこからかの中古その3。

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